2010年12月14日
メタノール入手
高杉製薬 燃料用アルコール。
エタノール30%、メタノール70%。
これは本当に燃料用アルコールの黄金比なのかっ!?
この高杉製薬の燃料用アルコールは数ある燃料用アルコールの中でもエタノールの含有率が高いほうです。
この次にエタノールの含有率が高いのは、私が持っていた中では
「内藤商店 燃料用アルコール (エタノール22.2%、メタノール76.3%、水分1.5%)」
です。
向かって左が内藤商店
反対に、高杉製薬よりエタノールが多いのは
「ヒナ化学工業所 燃料用アルコール (エタノール45~50%、メタノール45~50%)」
というよくわからんあいまい表記のものですが、これよりエタノールが多い燃料用アルコールは見たことがありません。
向かって左端がヒナ化学
残念ながら内藤商店もヒナ化学ももう使い切ってしまったのですが、エタノールの含有率が高ければいいってもんでもなさそうです。
だって、
「消毒用V.S燃料用アルコール」
の燃費対決をしたことがありますが、確かに消毒用のほうが4ml少ない燃料で湯沸かしできたものの、かかった時間は7分も長い・・・。
そんなわけで、もう少し実験してみようと思います。
そこで、高杉製薬よりエタノール含有量が高かったヒナ化学。
これを再入手しようと、以前これを買った薬局に久しぶりに行ってみました。
この薬局は漢方が主体の、少々怪しいお店です。
店主さんはいかにもな白いあごひげに丸メガネのおじいさんで、いつも難しそうな本を読んでいるのです。
薬品なんかホコリかぶりまくり、箱は日焼けして色が変わっていても平然と置いてある店です。
(さすがに飲み薬は新鮮なようですが・・・っていうかそう信じたい)
私は店に入ると、すばやく奥の薬棚に向かいました。
燃料用アルコールは確かあの棚にあった。
・・・しかし、ああ!
燃料用アルコールはこの店に似つかわしくない真新しい商品に替わっていました。
大成薬品の燃料用アルコール。
このあたりのどの薬屋さんでも普通に見かけるものです。
確かに1年前に買ったときでも、ヒナ化学は1本か2本しか残ってなかったのです。
ああ、もうヒナ化学は売り切れてしまったのか・・・
「いらっしゃい。何をお探しですか」
中国仙人のような店主さんが商品棚の向こうから立ち上がりました。
「あの、燃料用アルコールです」
「ああ、そこにあるのが燃料用アルコールですよ」
中国仙人は大成薬品を指差しました。
「いえ、あの・・・以前ここで、ヒナ化学という会社の燃料用アルコールを買ったのですが、それは無いですか」
「いや、もう燃料用アルコールはこれしか無いね」
値段を見ると350円です。
すぐ近くのドラッグストアでは同じものが258円で売っていたのを思い出しました。
どうしよう?
私は大急ぎで店内に目を走らせました。
あっ!
お客では手の届かない奥のほうの棚に
「工業用アルコール」
と書かれたビンが見えます。
やはり大成薬品の商品のようです。
工業用アルコールといえばメタノールでしょう。
これはこれで私にとっては貴重な品です。
「ではメタノールを」
「メタノールは・・・置いてないなあ」
あれっ?
「メタノールはハンコがいるからね。もう燃料用アルコールしか扱ってないんだよ」
じゃああのビンは使いかけなのかな?
「大成薬品の燃料用アルコールはもう持ってるんです。メタノールが欲しいです」
ちょっと食い下がると、中国仙人は
「う~ん・・・まてよ・・・」
とつぶやきながら店の奥に引っ込みました。
再び現れた時、仙人は一つのビンを手にぶら下げていました。
「あったあった」
やはり大成薬品のメタノールです。
やった!
「何に使うの」
「・・・アルコールランプです」
「実験とか?」
「ん~・・・料理なんかです」
「ああ、コーヒー?」
「はい、コーヒーとかご飯とか」
「ふーん・・・だけど、メタノールはハンコがいるんでちょっと面倒なんだけど」
「ハンコは持ってまっす!!」
私は元気よく答えました。
中国仙人は小さな帳面を出してきました。
「譲渡受取人・・・」
とかなんとか書いてあります。
「ここに氏名・住所・電話番号・職業を書いて、ハンコを押してください」
何と、職業もか~!
記入している間、中国仙人はいくつかのことを教えてくれました。
・メタノールは劇物なので、このようにハンコや住所が必要なこと。
・燃料用アルコールはエタノールを少量加えることにより、その対象からはずれて簡単に買えるようになっていること。
・メタノールは皮膚についてもそこから体内に吸収するので体に良くない。だから素手で触らないほうがよいこと。
・昔は果樹園の人が花粉をつける筆を洗うためにこのメタノールを使っていたこと。
うちもそのために店に置いている程度のものだ。
しかし燃料用アルコールのほうが安全だし、簡単に買えるので最近はそっちのほうをお客さんに勧めること。
「ええっ!メタノール、思いっきり素手で触ってましたよ!汚れ取りなんかにボロ布につけて」
と言うと、
「ははは、まあね、そういうのにも使うね・・・」
と笑っていました。
「さて、いくらだったかな」
仙人さん!値札ちゃんとついてますよ!
「250円です!」
私は値札を見て言いました。
「どれどれ・・・ああ、ほんとだ。じゃあ250円」
中国仙人は袋に入れかけてから、
「待てよ!間違いないな、メタノールだよな!・・・4つの目で確かめよう」
と私に差し出しました。
二人はビンを覗き込み、
「間違いない、メタノールだな」
「はい、間違いありません。赤字でメタノールって書いてあります」
と指差し確認をして袋に入れたのでした・・・
メタノールのビンはホコリをかぶって茶色くザラついています。
製造年月日は
「平成12年11月」
でした。
未開封、10年ものです。
Posted by 灰色猫屋 at 22:58│Comments(0)
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