2016年04月03日
ムジナが化けた話
大晦日の話です。
おせちの材料を買い忘れた私は、近所のスーパーに行きました。
混みあった駐車場になんとか車をねじ込んでほっとした時、異様な物体が目に飛び込んできてびっくりしました。
それは確かに車なのですが、
車体全体が黒っぽい緑のカビで覆われているのです・・・
目を凝らすと、コケさえ生えているのでした。
さらにあっちこっちに木の葉っぱがくっついています。
極めつけは、車の屋根に熟してつぶれた柿が3つ4つ、べっしゃりと乗っかっていることでした。
車というよりは、藪の中をめくらめっぽう走り回ったイノシシが力尽きてうずくまっているように見えました。
車の中も、ダッシュボードといわず座席といわず、とにかく何かが積み上がっていて、
「いつの間にこんなところに廃車が?」
といぶかしく思いながらも、寒いので急いで店内に入りました。
ところがレジに並んでいた時、私は列の先頭で支払い中の人物に目が吸い寄せられました。
あの車の持ち主だということが一発で分かってしまったからです!
それは小柄なおばあさんの二人連れでした。
どちらも腰は90°近くに曲がり、手ぬぐいをほっかむりにしています。
腕には花柄のアームカバー、モンペに長靴を履いています。
だけど、とにかくそれらの一つ一つがボロボロで、モンペのお尻は穴だらけなのです・・・
ない!
今時みかけない光景だ!
おばあさんがお釣りを受け取ろうと腰を伸ばした時、顔が見えました。
ものすごくしわくちゃでしたが、眉はくっきりと長く、目はぱっちりと大きくて、
南方系の美人でした・・・
私が支払いを済ませて外に出ると、おばあさんはダンボールを抱えてえっちらおっちら階段を降りるところでした。
もうひとりのおばあさんは車のハッチを開けて待ち受けています。
トランクの中もなにやらわからないもので埋め尽くされています。
一番上には小さな熊手が転がっていました・・・
あのトランクに、果たしてあの買い物のダンボールは入るのかしら・・・?
枯葉とコケと柿にまみれた豆つぶのような車と、小さなおばあさんは、
もしかしてムジナが化けて年越しのご馳走を買いに来たんじゃないかと思いました。
・・・そして季節は巡り、桜もほころぶ春の日に、
私は再びそのムジナ様と遭遇したのです・・・

これはうちのタヌキ
さすがに柿は乗ってませんでしたが、コケだらけの車体と何かがとにかく詰まった車内、そして小さな熊手。
同じスーパーの同じ場所に、その豆粒のような車はあったのでした。
そして、あの時と同じ出で立ちのおばあさん二人連れが、えっちらおっちらダンボールを抱えて階段を下りてくるのが見えました。
やがて荷物はトランクに詰め込まれ・・・次にハッチを開けたら全部なだれ落ちるんじゃないかと思いましたが・・・
おばあさんたちが車に乗り込み、あのコケまみれの車がゆっくりと走り出しました・・・
なんと、運転席は開けっぱなしです・・・
おばあさんは落ちないのでしょうか・・・
・・・と思ったら、私の目の前を通り過ぎるときに、すうっと閉まりました・・・
車のボンネットが浮いています。
サイドミラーは片方たたまれたままでした。
ちょっと化け方がヘタですね、ムジナさん・・・
どこへいくのか、
そろそろ花見の時期なので、
またご馳走を買いに来たのかもしれません・・・
おせちの材料を買い忘れた私は、近所のスーパーに行きました。
混みあった駐車場になんとか車をねじ込んでほっとした時、異様な物体が目に飛び込んできてびっくりしました。
それは確かに車なのですが、
車体全体が黒っぽい緑のカビで覆われているのです・・・
目を凝らすと、コケさえ生えているのでした。
さらにあっちこっちに木の葉っぱがくっついています。
極めつけは、車の屋根に熟してつぶれた柿が3つ4つ、べっしゃりと乗っかっていることでした。
車というよりは、藪の中をめくらめっぽう走り回ったイノシシが力尽きてうずくまっているように見えました。
車の中も、ダッシュボードといわず座席といわず、とにかく何かが積み上がっていて、
「いつの間にこんなところに廃車が?」
といぶかしく思いながらも、寒いので急いで店内に入りました。
ところがレジに並んでいた時、私は列の先頭で支払い中の人物に目が吸い寄せられました。
あの車の持ち主だということが一発で分かってしまったからです!
それは小柄なおばあさんの二人連れでした。
どちらも腰は90°近くに曲がり、手ぬぐいをほっかむりにしています。
腕には花柄のアームカバー、モンペに長靴を履いています。
だけど、とにかくそれらの一つ一つがボロボロで、モンペのお尻は穴だらけなのです・・・
ない!
今時みかけない光景だ!
おばあさんがお釣りを受け取ろうと腰を伸ばした時、顔が見えました。
ものすごくしわくちゃでしたが、眉はくっきりと長く、目はぱっちりと大きくて、
南方系の美人でした・・・
私が支払いを済ませて外に出ると、おばあさんはダンボールを抱えてえっちらおっちら階段を降りるところでした。
もうひとりのおばあさんは車のハッチを開けて待ち受けています。
トランクの中もなにやらわからないもので埋め尽くされています。
一番上には小さな熊手が転がっていました・・・
あのトランクに、果たしてあの買い物のダンボールは入るのかしら・・・?
枯葉とコケと柿にまみれた豆つぶのような車と、小さなおばあさんは、
もしかしてムジナが化けて年越しのご馳走を買いに来たんじゃないかと思いました。
・・・そして季節は巡り、桜もほころぶ春の日に、
私は再びそのムジナ様と遭遇したのです・・・
これはうちのタヌキ
さすがに柿は乗ってませんでしたが、コケだらけの車体と何かがとにかく詰まった車内、そして小さな熊手。
同じスーパーの同じ場所に、その豆粒のような車はあったのでした。
そして、あの時と同じ出で立ちのおばあさん二人連れが、えっちらおっちらダンボールを抱えて階段を下りてくるのが見えました。
やがて荷物はトランクに詰め込まれ・・・次にハッチを開けたら全部なだれ落ちるんじゃないかと思いましたが・・・
おばあさんたちが車に乗り込み、あのコケまみれの車がゆっくりと走り出しました・・・
なんと、運転席は開けっぱなしです・・・
おばあさんは落ちないのでしょうか・・・
・・・と思ったら、私の目の前を通り過ぎるときに、すうっと閉まりました・・・
車のボンネットが浮いています。
サイドミラーは片方たたまれたままでした。
ちょっと化け方がヘタですね、ムジナさん・・・
どこへいくのか、
そろそろ花見の時期なので、
またご馳走を買いに来たのかもしれません・・・