みかんを買う
みかん屋さんでみかんを買いました。
店内にはみかんの他にほんのわずかのりんごと、文旦かなにかのかんきつ類が数個。
つまり売り物の果物は3種類しかありません。
しかも開店しているのはどうやら冬場のみなのです。
たまにしか通らないのですが、冬以外に開いているのを見たことがありません。
寒いのに何列もあるシャッターをすべて開け、通りに面した部分だけみかんをずらりと並べています。
それから、天井といい壁といい、さまざまなものがごちゃごちゃと飾られていて、売り物のシンプルさと対照的なカオスの世界です。
たぬきの置物、古めかしいランタン、木製の車輪などが所狭しと並んでいます。
この怪しさにヤラレて、この店の前を通るたびにみかんを買ってしまうのですが、車がびゅんびゅん通る大きな道沿い、辺りには他にこれといった目印もないところにぽつんと建っているので、いつも通り過ぎてから
「ああ、ここだった」
とバックします。
軒下に赤いランプがずらりと並び、橙色のみかんを照らすその店に入ると、おばさんが味見を勧めてくれます。
「キズがいっとるのもあるが、これは寒いとどうしてもな・・・味に変わりはないけど」
子どもたちがみかん好きでいくつも食べるので、私は小さいサイズを選びました。
お金を払うと、おばさんはいつもオマケにみかんをふたつみっつ握らせてくれます。
子どもたちはたくさんのみかんに大喜び。
いくつあるか一緒に数えてみたらちょうど50個入っていました。
50個で500円。
お味もなかなかです。
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