きのこのトランプ
病院には時々ボランティアさんがやってきて子どもと遊んでくれます。
たいていカードゲームや折り紙やボードゲームなんかをやるんですが、ある日ボランティアさんがきのこ柄のトランプを持ってきた。
54枚全部ちがうきのこの絵が描かれていて、下に英語とラテン語できのこの名前が書いてある。
絵は繊細な水彩画なんですが、ただ精緻なだけではなくて、なんとなく物語をかんじるというか、
たとえばこの大小のきのこは親子みたいだなとか、楽しくて踊ってるみたいというか。
あと、英語の名前も
「ジョーの耳」(きくらげ?)
とか
「ヒョウの頭」(茶色地に点々模様)
とか
「妖精のリング」(きのこが芝生に輪っか状にはえるやつかな?)
とか、楽しい名前がついてます。
「セント・ジョン・マッシュルーム・・・聖ヨハネのきのこ」
ってどういう意味なんだろうね。
「このトランプ、きれいでおもしろいですね」
と言ったら、ボランティアさんは嬉しそうに
「これ、東京の美術館で買ったんです。ほかにも花や動物や魚なんか、いろんな種類のトランプがあったんですけど、きのこが一番かわいかったから」
と言いました。
まるでカード図鑑のような素敵なトランプを、こんな小さな子たちに使わせてくれるなんてもったいないと思いつつも、子どもたちがゲームで盛り上がるなか、カードを一枚一枚拾い上げては眺めて楽しみました。
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