病院で鳩の観察

灰色猫屋

2016年09月11日 10:11

病室の窓の外は中庭です。
中庭というよりは「隙間」といったほうがいいような殺風景な空間なのですが。
一面がコンクリートと砂利で、誰が世話してるんだかわからない鉢植えがいくつかあるだけです。

四方を病室に囲まれているので、まるで井戸の底にいるみたいです。
毎朝ブラインドを上げて天気を確認するんですが、窓にビッタリ顔をくっつけて見上げないと空が見えない。
建物に遮られて空は四角い。

さて、お盆の頃の話ですが、この穴ぐらのような中庭に鳩がやってきた。
こんな狭い何にもないところに生き物が来るのは珍しいので、ずっと見てました。

それから鳩は時々来るようになりました。
ある日、鳩は2羽になりました。
あら仲良しさんね、と思っていたら、そのうち1羽が動かなくなりました。
生きてはいるが、1日中同じ場所から動かないのです。
コンクリートしかない2階の屋根の出っ張りみたいなところで、日が当たろうがなんだろうが1日中じっとしているんです。
具合が悪いんだろうか。
もう1羽は時々やってきては動かない鳩のそばに寄り添っています。
不思議なことに、夜になると姿がない。

そのうち、台風が来ました。
鳩はいなくなりました。

ところが、台風が去ったあと、中庭のけちくさい鉢植えのプランターに、あの鳩がいるのを発見。もう1羽は、なんにもない中庭をうろうろしては、屋根の隙間に生えた雑草を引き抜いてみたり、吹きだまりの枯れ枝をつついてみたりしています。

えっもしかして巣作りかしら?

鳩の様子が気になって、それから何度も外を見るようになりました。

そしたらあるとき鳩がいなくて、そのプランターに白い卵がふたつあった!

「わー卵だ!卵産んでる!」

ちょうどその場にいたリハビリのKさんと子どもとで代わる代わる眺めては喜びました。

こないだ大雨が降りましたが、その時も鳩はずーっとプランターの中でじっとして卵をあたためていました。
濡れそぼってポソポソに痩せて見えて、傘さしてあげたくなったよ・・・


ここは風も来ないし日も差さないし、蛇なんかの天敵もいなさそうですから、雨さえしのげば安全でしょうね・・・
ヒナが孵るのが楽しみだ。



左下の茶色いプランターにいるのがわかるかな?



窓にめいっぱい顔をくっつけてようやく見える位置なのです


後から知ったけど、鳩の巣ができちゃうと、糞とかほんと衛生的に問題があるんだね・・・
あと、巣立って終わりじゃなくて、また巣を作って子育てという」エンドレスループなんだってね・・・





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